2012年9月16日日曜日

ボート競技の奥深さ


 僕は、ボートを始めてから今年で10年になります。
年齢が今年で22歳になりましたので、今までの人生の半分はボートやっていることになります。(因みに今の漕艇部にいる部員の中で一番長く漕いでます)

 その10年の中には、色んな経験が詰まっています。
中学生の時は、何も分からず、ただ親に「ボート部が向いてるんじゃないか」と言われて始めて、嫌々ボートを漕いでいました。
しかし、僕の所属していた中学校はボートでは全国屈指の名門校で、
僕はレースに出る度に優勝していました。
その時「ボートってこんなに勝つのが楽なスポーツなんだ」と感じていました。

高校でもボートを続ける事にした僕でしたが、高校ではボート部員はたったの一人。
毎日見てくれるコーチは居らず、メニューも自分で考えたりするような部活でした。
結果、あまり練習を行わず、やってもちょっと乗艇する位でした。
更に。中学の時に運良く成功していたこともあり、「自分には才能があるんだ!」と天狗になっている始末でした。
勿論、レースでは全く勝てず、県大会レベルで敗退するような弱小選手に成り下がっていました。
その上、学校の成績も悪かったので、次の大会でダメだったらボートを辞めようとしていました。

そう決めてから、一人で黙々と練習をしました。
一日20kmUT、終わってから3kmランニング、体幹メニュー、エルゴ。
毎日毎日同じ事の繰り返し。飽きることはありませんでした。
ただあんなに嫌いだったボートはいつの間にか、大好きになっていました。

2年の春、琵琶湖で行われたレースで2位となり、それからというもの常に上り調子で、どんどん勝てるようになっていました。
インターハイで勝ち、ジュニア日本代表で世界も経験しました。
周りが驚いていましたが、一番自分が驚いていました。

その結果もあり、名門早稲田大学に入学してボートをしました。
大学でも上手くいくと意気込んで入ってきましたが、色んな事があり、一時はボートを漕げなくなる程落ちぶれた事もありました
その経験は今までのボート人生で一番悩みましたし、辞めたくなる気持ちが強い時期でした。
それを乗り越えてからは、更にボートの奥深さを知ったしボートに対してひたむきになりました。

 ボートに出会って10年。今日は早稲田の選手として出る最後のレース。
今でも、自分の漕ぎについて欠点は山ほどあるし、完璧ではない。
そしてこのレースでも完璧には絶対ならないだろう。
だけどそのボート競技の奥深さが本当に面白いし、やめられない。
そう感じているのは僕だけではありません。
多くの年配の方がボートをしているのを見かけます。
皆ボートの魅力に惹かれているのだと思います。
何より、ボートを愛する人達は最高に素晴らしい方ばかりであると僕は思います。

ラストレース。勝ちます! 


早稲田大学漕艇部主将 吉原 至 

0 件のコメント:

コメントを投稿