2014年3月31日月曜日

日本一のレガッタに感謝を

私が入学した年の早慶戦は、戸田ボートコースで行われました。
対校エイトでは、戦力的に慶應に劣ると思われていた早稲田が、下馬評をひっくり返しての優勝。
しかし当時の私は、対校エイトのクルーが爆発させた、喜びの理由を分かってはいませんでした。

2年前の早慶戦は、隅田川3000mで行われました。
私は3番を漕ぎました。
いつも以上に長い距離に加え、普段以上の荒波にのまれ、腹切りの連続で失速。
1500m地点まで負けていたレースを制したとき、4年生の先輩方が流した嬉し涙が印象的でした。
このときの私は技術的にもまだまだ未熟で、初めての早慶戦の舞台に、圧倒されるばかりでした。

そして去年。
4月とは思えぬ寒さ、更に雨のなかの早慶戦。
そんな寒さのなか、1日中運営に尽力してくださった皆様、
そしてサポートのみんなのためになんとしても勝つ!
そう思って臨みました。
高校時代に大した実績のない私が、
日本を背負うようなクルーに囲まれて漕げたことは、とても幸せなことでした。
大差で勝負を決めたとき、そして岸で喜ぶ同期やサポート陣を見たとき、
早稲田の対校として漕げることを誇りに思いました。

今思えば、早慶戦はいつも私を成長させてくれるものでした。
隅田川で漕ぎたい――。
冬の練習が辛いとき、もう投げ出したいと思ったとき、
早慶戦の存在は私にとって大きなモチベーションでありました。

また、早慶戦は毎年、私に大切なことを教え続けてくれました。

舞台が戸田から隅田川に戻ってきた2年の春。
東北から招待した高校生たちの力漕や笑顔を見て、
毎日不自由なくボートを漕げることは当たり前ではなく、
たくさんの人々の支えの上に成り立っていることを感じました。

第2エイトの大逆転に感動した3年の春。
降りしきる冷たい雨のなか、
コートやカッパを濡らしながら奔走する運営スタッフの方々、サポート陣の温かさを感じました。
早慶戦で漕げることへの感謝の気持ちを忘れてはならないと、胸に刻みました。

最後の早慶戦、4年の春。
今年は諸事情により、再選考を経て早慶戦クルーになりました。
一度は諦めた隅田への切符を手にしたとき、感じたのは喜び、そしてそれ以上に責任でした。

私が早慶戦のシートに座るということは、その分涙をのむ選手がいるということ。
むしろ涙をのむ選手のほうが多いということです。

早慶戦は、運営スタッフの方々、サポート陣、
自分も漕ぎたい思いをこらえて応援してくれるチームメート、観戦に来てくださる方々など、
とてもたくさんの人々の想いがつまった大会だと感じています。
日本一たくさんの想いがつまった大会だから、
日本一有名で、重みがあって、そしてどうしても負けられない。

この4年間で、ここでしか学べないことをたくさん教えてくれた早慶戦。
荒れた隅田川を漕破するのも今年が最後です。
隅田川で漕げることに感謝の気持ちを持って、
早稲田の対校の名に恥じないレースをお見せします。

そして必ず勝ちます。

応援のほど、よろしくお願い致します。

3年 望月みづほ

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